視覚障害者ITサポートとやま(Bitsとやま)

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1月定例勉強会

日時:平成20年1月19日(土)
参加者:18名(メンバー9名、スタッフ9名)

●内容

ミニ講習会の内容


●初めに

これまでのミニ講習会で

など、パソコンを使って一般的にできることや注意点などに関するお話をされました。

Bitsは視覚障害者のIT支援を行う団体ということで、会員の多くが音声や画面拡大機能などの支援技術を利用してパソコンを利用されています。

そこで今回から

などについてお話ししていきたいと思います。

●視覚障害者にWindowsが利用できるようになるまでの流れ

まずは、視覚障害者にとってWindowsというOSが利用できるようになった時代のお話をさせていただきます。

●CUIとGUI

今から10〜15年ぐらい前までは、「MS-DOS」というOSが利用されていました。
MS-DOSは「コマンド」という命令をキーボードから打ち込むことにより処理を実行するOSです。
また画面表示はテキスト(文字)が中心です。
このようなOSを「CUI(キャラクタユーザーインターフェース)」と呼びます。

一方、現在利用されているWindowsは、画面をマウスでクリックすることにより処理を実行する使い方をするOSです。
また、画面表示は画像や絵(グラフィック)がふんだんに使われており、見た目が派手なのが特徴です。
このようなOSを「GUI(グラフィックユーザーインターフェース)」と呼びます。

●CUIとGUI、どちらが使いやすい?

CUIとGUIどちらが使いやすいかは、それぞれの立場や習熟度によっていろんな意見があります。
ただ一つだけいえることは、初心者で画面の見える人にとってはGUIの方が使いやすいことは間違いありません。なぜなら、CUIの場合はコマンドを一々覚えなければなりませんが、GUIの場合は画面を見ながらマウスでクリックしてやればとりあえず何らかの処理が行えるからです。

●視覚障害者にとってはどうなの?

CUIの場合

ということで、視覚障害者に扱いやすく音声化も容易です。

しかしGUIの場合

といった理由から決して使いやすいものではありません。
そのため、Windowsが出始めたころは「視覚障害者がWindowsを利用するのは無理ではないか」
といわれていました。

●Windowsの必要性

しかし、世の中でWindowsが使われ始めると、視覚障害者だけがいつまでもMS-DOSのような古いシステムを利用し続けるわけにはいかなくなりました。他の晴眼者とソフトウェアやデータを共有する必要があるからです。
そのため、視覚障害者もWindowsを利用できるようにする必要があり、そのための研究が行われました。

●日本初のWindows画面読み上げソフト

日本で初めてのWindowsの画面を読み上げるソフトが発売されたのは、1996年11月頃のことでした。「95Reader(キューゴーリーダー)」というソフトで、Windows95の画面を読み上げることができました。

世間一般ではその前の年、1995年にWindows95が発売され、発売日には夜中にパソコンショップを開くなどといったことがテレビのニュースでも取り上げられ、その後急速に世の中にパソコンが普及しました。

視覚障害者の世界では「95Reader」の誕生により、ようやくWindowsが利用できるようになったのです。

しかし、利用できるようになったとはいえ、この頃のスクリーンリーダーは

という感じで決して使いやすいものではありませんでした。

また、現在のスクリーンリーダーのようにインターネットエクスプローラの画面を読み上げることができませんでしたので、ホームページを閲覧するには専用の「音声ブラウザー」という種類のソフトが必要でした。
音声ブラウザーの代表的なものとして、日本アイ・ビー・エム株式会社から発売された「ホームページ・リーダー(HPR)」というソフトがあります。このソフトは1997年秋に発売され、視覚障害者の間で多く利用されました。
HPRが視覚障害者のインターネット普及に貢献した影響は非常に大きいといえるでしょう。

●1998年

そして、1998年…
(来月に続く)

●質疑応答

Q:
MS-DOSを音声で使うときはどうしていたのですか?

A:
MS-DOSを読み上げるソフトを使用していました。
具体的には

などがありました。両方とも全盲の方が開発されたソフトです。

MS-DOSはWindowsのようにマルチメディアのOSではありませんでしたので、パソコン本体から音声を出すことはできませんでした。ですから外付けの「音声合成装置」という機械をパソコンに接続して使用していました。

Q:
VDMとは何の略称ですか?

A:
「ボイス・ディスプレイ・マネージャー」の略です。
開発者の斉藤氏によると…

横に誰かがいて画面を読んでくれる人がいてくれれば画面が見えなくてもパソコンを使うことができる。
その画面を読み上げてくれる動作をコンピュータが自動的にやってくれたら、誰かの目を借りなくても自力でコンピュータを使用することができる。

このような発送で開発を行われたそうです。

Q:
視覚障害者はマウスを使えないようですが、使う方法はありますか?

A:
スクリーンリーダーには一応マウス位置を読み上げる機能があります。
95Readerの場合、Alt+Ctrl+M、
PC-Talkerの場合Alt+Ctrl+_(右シフトキーの左側のキー)
を押すことによってマウス位置の読み上げ状態をOn/OFFすることができます。
またPC-Talkerの場合、テンキーを使ってマウス操作をエミュレートすることができます。Alt+Ctrl+Homeキーを押して「マウス」と聞こえるところに合わせることで、テンキーがマウスを動かすキーとして働きます。
ただこれがどのぐらい実用的に使えるかは利用するソフトやスクリーンリーダーがどのぐらいマウス位置を音声ガイドしてくれるかによって変わってきます。
ソフトによってはキーボード操作だけでは操作できずマウスクリックが必要なものもあるので、マウス操作の基本ぐらいは覚えておくと何かの役に立つでしょう。

Q:
マウス操作の基本が知りたいのですが…

A:
マウスは、ボタンの付いている方を向こう側にくるようにして持ちます。
マウスを机の上に置いて動かすと、動かした位置にマウスカーソルという矢印が画面上を動きます。見える人は画面を見て目的のところにマウスカーソルを合わせて、マウスに付いているボタンをクリックするわけです。

マウスには左右2つのボタンがあります。
左側のボタンを1回押すことを「クリック」といいます。
左側のボタンを2回続けて「カチカチ」と押すことを「ダブルクリック」と
いいます。
また、右側のボタンを押すことを「右クリック」といいます。
ファイルを移動するときなど、移動元にマウスを合わせて左側のボタンを押したままの状態で移動先に持って行ってボタンを放す操作をすることがあります。これを「ドラッグアンドドロップ」といいます。

以上がマウス操作の基本です。

Q:
マウスを使って文字を書くことはできますか?

A:
画面が見えていれば可能ですが、視覚障害者がそれを行うのはちょっと無理なのではないかと思います。

● 関連リンク

お話に登場したソフトのページをご紹介しておきます。


報告は以上です。


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