視覚障害者ITサポートとやま(Bitsとやま)

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◎ミニ講習(九曜):画像認証(CAPTCHA)について

1. 画像認証とは?

無料のメールアドレスを取得するときや、掲示板や人の日記にコメントを書くときや、特定のサイトを閲覧するときに、事前にサイトに登録したり、そのサイトを利用するための権利(アカウント)を取得しないといけないことがある。
サイトに登録したり、アカウントを取得するには、登録のための画面を開き、名前、メールアドレスなど必要な情報を入力する。
このとき、入力の最後に、
「上の画像に表示されている文字を入力してください」
とアナウンスがある場合がある。
このアナウンスがある場合、画像の中に書かれている文字を読んで、同じ文字を入れないと登録が完了しない。
つまり、これを入力できないと、サイトに登録したり、アカウントを取得したりすることができない。
これを画像認証という。
画像認証のことを、キャプチャともいう。アルファベットで、CAPTCHAと書く。

CAPTCHAについては、以下のサイトを参照してください
CAPTCHA - Wikipedia

2. 画像認証の問題点

画像は音声読み上げソフトで読み上げできない。
従って、音声読み上げソフトを使っている視覚障害者は、画像に表示されている文字を入力できないので、無料のアカウントを取得したり、特定のサイトに登録できないことになる。

3.なぜ画像認証が使われるようになったのか?

画像認証が使われはじめたのは5年くらい前から。
コンピュータが自動的に大量のアカウントを取得できるプログラムが登場し、このプログラムを悪用する企業が現れたため。
このようなプログラムがあれば、人がコンピュータの前にいなくても、自動的に短時間で大量にアカウント取得できる。
悪徳な業者はこの方法を使って、大量に迷惑メールを送ったり、掲示板やブログに自分のホームページの宣伝などを書き込むようになった。
サービス運営側は、このような悪徳な行為をする業者にサービスを利用されては困る。
そこで、自動的にアカウントを取得できない方法を考えた。
その結果画像認証という方法がうまれた。
画像に表示されている文字はコンピュータが自動的に読むことができないので、この方法を使えば、アカウントの大量取得を防ぐことができる。
しかし、コンピュータが自動的に読むことができない画像認証の文字は、読み上げソフトでも読み上げることができない。
従って、読み上げソフトを使っている視覚障害者は、アカウントを取得できなくなるという問題が生じた。

4. 対策

そこで、画像認証の代わりに音声認証という方法を導入するサイトも登場した。
音声認証はグーグルのGメール マイクロソフトのウィンドウズライブメールなどが採用している。
音声認証とは、画像の文字を読む代わりに、音声を聞くボタンを押し、その音声を聞き取って、その文字を入力するというもの。
例えば、「音声を聞く」 というボタンををクリックすると、「1 5 8 9」などとコンピューターが数字を読み上げる。
読み上げた文字を入力すると、アカウントが取得できる。
ただし、この音声は、ただ単に読み上げるのではなく、間に雑音がはいっている。
雑音がはいっている理由は音声を自動的に文字に変換するソフトを使って、自動的にアカウントを取得することを防ぐため。
そのため、聞き取りにくい、という問題もある。
その他の認証方法には、なぞなぞ認証というものもある。
これは簡単なクイズに正解すると、登録できるというもの。
クイズは、例えば、「かくにん」 を漢字で入力してください「かく」 は 確かめる の かく。 にん は認めるの にん です。といった類のもの。

5. 最後に

サービス運営側としては、使い勝手を優先するか、セキュリティを優先するかというのは難しい課題。
今のところ、有効な対策は講じられていないのが現状です。

6. 質疑応答

質問1
音声読み上げソフトだけでは登録できないページがときどきあるのですが?

回答1
「画像の文字を入力してください。」というアナウンスがある場合は、画像認証があるため音声だけでは登録できないと考えて下さい。
音声認証など別の手段があればいいのですが、ないときはだれかに読んでもらってください。
サービス運営側に、「画面を見ることがないので登録できない」と訴えると、登録を代行してくれることもあります。

質問2 
私が登録しようとしたサイトは、「画像の文字を入力してください」というアナウンスは特になかったと思うのですが?

回答2(フロアから)
画像認証してください、という注意書きが本文に書いてある場合、タブキーだけ押していくと、読み飛ばしてしまう場合があります。
上下矢印キーなどでも確認してください。

追記
画像認証が用いられていなくても、必要事項が抜けているとか正しく入力されてないということがあるかもしれません。
例えば、サイトによっては、パスワードの文字数が8文字以上20文字以内という風に決まっていたり、郵便番号や電話番号に数字以外の文字や全角文字が使われていたり、書式が誤っているなどでエラーになる可能性があります。
エラーメッセージが表示されている場合は、確認してください。
ただし、サイトによってはこれが分かりにくいことがあります。

質問3
最近、しゃべった声を文字に変換してくれるソフトがあると聞いたのですが、性能はどうですか?

回答3
ニュースのようにはっきりとした発音の場合は大丈夫ですが、はっきりと発音しないと、うまく文字に変換してくれません。
でも、昔に比べると、性能は若干進歩していると思います。


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