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◎ミニ講習(九曜):ヘレンケラー ホン」について

◎ヘレンケラーホンとは?

ヘレンケラーホンというのは何かというと、盲ろう者といわれる、目と耳の両方不自由な人が電話ができるシステムのことです。
普通の電話は声で会話します。目と耳が不自由な盲ろう者は電話の声が聞こえないので電話を使うことができません。そこで、電話ができる機会ができないかと、盲ろう者向けの携帯電話が開発されました。
それは 筑波大学の視覚支援学校で教員されていた長谷川貞夫さんという方が開発されたものなんですが、この方はかなだけの点字の世界に6点だけで漢字を表した六点漢字を発明された方です。

◎会話の方法

声を使わずにどうやって会話するかということですが、
これは体表点字というものを使って会話します。
普通は点字というのは指で触って読みます。指先で紙に書いてあるポツポツを触って読む方法で読みます。 
それから もうろう者用のコミュニケーションで、指点字といって、指の上にタイプライターみたいにして打つ方法があるが、これも指を使って読みます。
体表点字というのは、指でも読めますが、指だけじゃなくて体全体、全身で読むことができる。例えば耳後ろの所とか、手のひらでも、手の甲とか、膝とか、背中とかどこででも読むことができる点字です。
体表点字は今のところ盲ろう者向け携帯電話として使われていますが、今後例えば、道を歩いている時に白杖を持ったりして、手のふさがっている状態の視覚障害者に体表を使って情報を伝えたり、将来的には、紙の点字と体表点字の相互変換というのも考えられています。
体表点字は多少点字の知識がないとできないんですが、
指で読む点字は、高齢者とか中と失明者は指先の感覚がなかなかで読みにくく、習得が大変なんですが、
体表点字は体全体で読めますので、中途失明者でも比較的容易に習得できるのではないかと言われています。
以上体表点字について説明しましたが、ここから「ヘレンケラー ホン」の説明にもどります。

◎ヘレンケラーホンの仕組み

「ヘレンケラー ホン」は具体的にどうなっているかというと、
・まず 普通の携帯電話、今のところ NTTドコモのFOMAの「らくらくホン」で使えます。基本的にはドコモのFOMAならどれでも使えるはずですが、「らくらくホン」は音声読み上げも付いていますし、画面も大きいので、弱視でも視覚障害者でも よく使われているので、これを使います。
それから、携帯電話の信号を体表点字に変換するための機会があります。「ポケットビーブル」といいます。四角い箱です。
そこに二つのジャックがあり、
一つのイヤホンマイクの差し込みは携帯電話のイヤホンマイク端子に接続します。
もう片方のケーブルには二つの平べったい振動版がついています。
この振動版がブルブル震えて点字を表現します。
点字は6店ありますね。6点あるのになぜ二つなのかですが、
もともと六つの振動版で開発が進められていたそうです。
ところが、点の多い点字ですが、例えば ま み む め も」とかになると六つあると読み取りにくい、また携帯電話なので、できるだけ携帯に優れていた方がいい。
六つあると携帯に不便であるということもありますし、、ある時、開発の途中の発想で二つの方が効率的に読み取れるということがわかったそうです。
具体的にどうするかというと、
点字は六つのてんで、左の上から「1,2,3」の点となって、右に「4,5,6」の点がならんでいます。
ですから、上野段から順番に表現していきます。
まず最初に上野1、4の点を表して、その次に2,5点を、次に3,6点を表すというふうに3回に分けて点字を振動させていくという方法で六点の点字を二つの振動版で表現します。
まず最初に 
「あ」は左の一番上の1の点だけなので、左の振動版が長くブルーと振動します。
次に二段目と三段目は点がないので、点がないという表現で プッ プッと右側を二回短く振動させます。
点のない処は右側を短くプッと振動させます。
「い」は左の1と2の点なので、
左側がブルー、ブルーと二回振動し、三段目がないので、その後、プッと一回振動する。
「う」は1と3の点なので、まず左も右もブルーと振動し、次に二段目と三段目がないので、右がプッ プッと二回なる。
「え」は1と2と3の点なので、まず左と右がブルーとなり、次に左だけがブルーとなり、次に三段目がないので、右がプッと一回なる。
「お」は2と3の点なので、初めに右だけブルーとなり、過ぎに左だけブルーとなり、次に三段目はないので、右がプッと一回なる。
このような方法で点字を表現し、振動版の振動を指先などの体表で感じとって読み込む。

次に携帯電話の捜査ですが、
これは送る法の捜査です。
点字を携帯電話でどうやって書くかということですが、
携帯電話の数字ボタンの左側の「1,4,7」が点字の「1,2,3」の点で表します。
すなわち、携帯の1が1の点、4が2の点、7が3の点となります。
次にその右側の「2,5,8」のボタンが点字の「4,5、6」のてんとなります。
そして 点字を書いた後、これで決定という時に「0」ボタンを押します。
具体的には「あ」と書く場合は、「1」のボタンを押して、次に「0」ボタンを押すと、「あ」というのが送られて、「あ」に相当する振動板が振動します。
最近、少し機能が追加されて、もし間違えた時、例えば「1と,2,6」と打つところを「1,2,3」と打った時、「0」で決定する前でしたら、「※」(こめじるしとかアスタリスクという 7の下のボタン)を押すと、訂正、クリアでき、打ち直しできます。
「※」が取り消しのボタンです。
次に 点字にあるマス開け、わかち書き、「私は携帯電話を使います」という場合は、
「わたしは(スペースあけて)けいたい(スペース)でんわを(スペース)つかいます」と書きますが、スペースもを送ることも出来ます。
スペースを送る時は「9」を押します。「9」を押した時は「0」を押さなくても、短くブルッと右が震えます。」
このような感じでボタンを押していくんですが、
実際に携帯電話を使う場合は多少約束事を決めておかないといけないんですが、
テレビ電話でかけなくてはいけません。よくわかりませんが、音声電話だとうまくいかないみたいです。FOMAのカメラ付き携帯電話でテレビ電話でかけます。
普通だったら、音声電話でしたら、ブルブルッと電話がかかった時に呼び出し音がなりますが、話し中だったら、ツーツーとなりますよね。そして相手がでたら、その音が止まっ。またもしもしとか聞こえますが、呼び出し音が携帯をかけながら何も反応がないんです。だからつながったのか、どうなのかが今のところわかりません。
将来的にはこれは改良されてわかるようになると思いますが、今のところわからないので、電話にでたら、相手のほうから電話でましたよという信号を送らなくてはなりません。
例えば約束ごとを決めるんですが、利用者同士で話し合って決める事になるんですが、、例えば電話に出たら 3,6の点を連続して3回送るとか、とかいう感じでやってます。
誰からかかってきたかも、声も聞こえませんし、ブルブルッと震えるだけですから、わかりませんし、かけたほうから名前をかくとか、そのような約束事が必要です。
それから電話が切れた時普通だったら、ガチャアンとか、ツーツーとか音がしますが、これもでてこないので、きりますよという信号で切るの「き」の1,2,6の点を連続して3回「送って、 き ききとうったら切るという切りますという井美だとかいうふうに決め手おく必要があります。
今のところまだ開発中のものでして、
いうのを忘れてましたが、今年(21年)の1月ごろから来年の3月まで、全国盲ろう者協会と社会福祉法人の桜雲海という所の共同の事業で実証実験が行われていまして、全国に全部で20台、20セット、携帯電話とビーブルが用意されて、使える人に貸し出して、実証実験をやっています。今のところ、富山で私が2セット借りて実験やっています。
夜の8時ごろに東京とか、神奈川とか、千葉の盲ろう者の方とか、通訳者の方とか開発者の長谷川先生とかが参加して、通信して、ヘレンケラーホンねっとを使って、電話を掛け合って、つながるかをテストしたり何か言葉を送りあったりとかして実験しています。

以上がヘレンケラーホンの概要です。

※この後 2台使って実際に体験してみる。
ポケット ビーブルの大きさは
らくらくホンの本体より縦横少し大きいぐらいで、
厚さはらくらくホンと同じぐらいですね。

振動板の付いたコードは二つに分かれていて長い方が右で、短い方が左です。
その振動板を母子と示指で持って振動を体験した。

  いろいろな体表、顔などで感じてみる。

以上です


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